洒落怖マニア

独断と偏見で集めた怖い話

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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?377

2024/01/18(木) 23:27:23.66ID:LQwdJ9tq0

初めての書き込みになります。
怖がりなくせに、昔からホラーが好きで、怖い話やホラー映画を楽しんでいるような者です。
何か直接的な怪異に出会ったわけでもなく、皆様のお話に比べれば格段に見劣りするとは思いますが、私の経験談をここに書かせていただきたいと思います。
予め申し上げますが、直接的に霊を見たわけでも、友人の命が脅かされたわけでもありません。
あくまで、私の感じ方の話でございます。

暗闇の中や、髪を洗っている時なんかに、何かの気配を感じる。
そんなことはきっと誰しもが経験なさっていることと思います。
特に怖い話を読んだ後なんかは、無性に暗闇が怖くなったりして、直接見たこともないオバケの恐ろしい顔が瞼の裏に張り付いて消えなくなったり。
私も、幼い頃からそんな経験が何度もありました。
そうは言っても、霊感もない私にとってはそれは唯の思い込みや妄想に過ぎず、もちろん本物の霊や妖怪にお目にかかったことはありません。

 

2024/01/18(木) 23:27:59.83ID:LQwdJ9tq0
ですが、最近のあの感覚は、今までとは違うのです。

2週間ほど前になりますが、布団の中で心霊系の話を読み終えて、さぁ寝ようと目を閉じた直後のタイミングでありました。
先に申し上げたように、そんな時と言うのは無性に恐ろしくなるものです。
読んでいた文章に登場する様々な怪異が、自分の部屋にも潜んでいるんじゃないかという怖さ。
私の枕元にも何かが立っていて、じっとこちらを眺めているかもしれないという恐怖。
目を開ければ亡霊の顔が間近にあるんじゃないかという不安。
まあ、いつもの感覚には違いありません。

そんな時、ピシッと部屋の隅から音が聞こえたのです。
それ自体はよくあることですが、そんなタイミングに鳴ると堪らなく恐ろしい。
そしてその音が、どうも何かの引き金になったようなのです。
フッと、色んなものが揃ったような、ボヤけていた世界にピントがあったような、スイッチが切り替えられたような――そんな不思議な感覚がありました。
その瞬間、「左に居る」という確信が、私の裡に起こったのです。
その感覚はうまく説明することができないのですが、今までの漠然としたものではなく、確実に付近に霊的な何かが存在しているという確かな感覚です。
居る。そこに、居る。
エアコン以外に音もなく、それを裏付けるものも何もないのに、その存在感と言ったら。
ぞわりと背中が粟立ち、口内の渇くのを感じました。

 

2024/01/18(木) 23:28:39.61ID:LQwdJ9tq0
こうなると、もう眠るどころではありません。
いつものように周囲に何もないのを確認して、「ほら、お前のただの妄想だったんだぞ」と安心したいのですが、本当に目撃してしまう実感があると、目が開けられないのです。
その間にも、それの存在感はずっと側にあり続けました。
それが堪らなく怖くって。
私は布団を頭から被って、手探りでスマホを手に取って、YouTubeのふざけた動画を布団の中で再生しました。
Vtuberの楽しげな笑い声が布団の中に響いても、全然恐怖が拭えないんです。
だって、すぐそこに居るのが分かるんですよ。絶対に居るんですよ。
何をしてくるわけじゃなくても、ずーっとそこに気配が残ってる。

明け方に存在感が突然消えてしまうまで、私はずっとそうやって震えていました。
恐る恐る布団から出て部屋を見回した時の恐ろしさと安堵感は、なんと言い表して良いか……。

 

2024/01/18(木) 23:29:15.40ID:LQwdJ9tq0
これで終わってくれれば良かったんですが、それから事あるごとに気配を感じるようになったんです。
職場のトイレとか、夜の窓の外とか、それこそシャンプーの途中とか。もちろん寝床に入った後とか。
今までとは全然違う、明らかな存在感と、何かが確かにそこに居るという実感を持って。

幸にして血みどろの幽霊も、髪を振り乱す女も目撃していません。
でも、もしも、もう一度ピシッと音が鳴ったりして。
それで、もう一段階ピントが合っちゃったりしたら。

怖がりな私の、ただの妄想だと良いんですけど。

お目汚し、失礼しました。
これ以上ここに書き込む機会がないことを祈ります。