洒落怖マニア

独断と偏見で集めた怖い話

どぅなったですか

237本当にあった怖い名無し2022/07/21(木) 21:26:34.37ID:1J/tI/KL0
僕が子供の頃の話、うちは母子家庭だった。
当時、僕は小さなアパートの三階の端部屋に住んでいた。
学校から帰宅した僕は布団に包まり、テレビを見ながら、母の帰りを待っていた。
すると、アパートの階段を登る音がした後にアパートの廊下を歩く音がした。

母が帰ってきたんだ!と思った僕が母を迎えようと布団から出ると、ドンドン!ドンドン!と家の扉を蹴破ろうとするかのような音が響いた。
僕は余りの音にビビってしまい、その場で立ち尽くしてしまう。
ドンドン!ドンドン!
叩く音がますます大きくなったかと思うと、今度は家の鍵からガチャガチャと音がして、家の扉が開いた。
ヤバい殺される!と思ったら、そこにいたのは母だった。
「いま、家の前におっさんがおった!おっさんがおって消えた!なんかあった?なんか変なことなかった?」
母は驚いた表情で僕を見ていた。

それからしばらくしてからの日曜日。夕方、家に戻った僕が家の扉をノックする。
「おかーさん、帰ったよー」
ガチャリと扉が開いた。
「どぅなったですかーーー?」
半開きの扉から頭を覗かせたのは間違いなく僕の母なのだが、様子がおかしい。能面みたいに無表情、目は黒い碁石のよう、それになにより、抑揚のないその声は母の声ではなく、おっさんの声だった。
「僕だよ、僕!」
「どぅなったですかーーー?」
「僕!僕!」
「どっなったですかーーー?」
話がまるで通じない。

これはどういうことだ?わけがわからない、その場で立ち尽くしていると、急に母の目が正気に戻った。
「ああ、おかえり!今のはイタズラ、イタズラ!」
そういうと、いつもの笑顔で僕を迎え入れてくれた。

それからというもの、たまに母がおっさんになる時があった。
その後、色々とあって母が統合失調症になったのだが、それはまた。

239本当にあった怖い名無し2022/07/21(木) 22:43:14.54ID:WEpf5KPN0
>237
怖すぎる
自分は母子家庭の母の方だけど、離婚前後の記憶が数年ほぼない
それだけ大変だった
お母さんその後元気になってたらいいな